百人一首 極上の恋の歌、歌合対決 忍ぶれど…恋すてふ…

はじめに

百人一首には43首の「恋の歌」があります。その中でも、本日は「恋の歌」の歌合で対決した2首を紹介したいと思います。

恋しているのはバレバレ!?

現代語訳
誰にも知られないように隠していたのに、私の恋心は顔に出てしまったようだ。恋に悩んでいるのかと人に問われるほどに。

村上天皇が主催した宮中の歌合で、平兼盛が恋を題材に詠んだ歌です。平兼盛は十世紀後半の歌人で、三十六歌仙のひとりです。

歌合とは?
歌合とは、平安時代から鎌倉時代初めごろまでたびたび行なわれたイベント。歌人が 「左」と「右」のチームに分かれて、同じテーマで歌を詠んで優劣を決め、それを総合してチームの勝敗を争う。勝負に負けると大変な不名誉であり、 ショックで死の床についた人もいたという。

この和歌と同じ現象は、学生の人にはありそうな気がします。

「お前さぁ、好きな人いるだろ?」

「○○ちゃんって、最近好きな人いるでしょ!?」

とかそういうやりとりがありそうです。

好きな人がいるっていうことが他の人にも分かってしまう、という意味の歌なんですね。

ピュアな純粋な歌を詠んだと思われますが、歌合に勝つために作られた和歌なのが驚きです。

この歌の優れているところは、「倒置法」が用いられているところです。「わが恋は」を3句目に置く「倒置法」を用いることで、自分でも意識していなかった恋の深さを強調する仕組みになっています。そして、「下の句」で他の人にもわかってしまうことが明らかになることで、「抑えきれない強い恋」であることが浮き彫りになります。構成にも非常に優れた「恋の歌」だと言えるのではないでしょうか。

好きな人の噂広まっちゃったよ、、

現代語訳
恋をしているという私の噂が、早くも世間に流れてしまった。誰にも知られないように密かに

この歌も、学生の人にはありそうな気がします。隠していたつもりだったけど、実はその恋心はもう他の人に知れ渡り、広まってしまったという歌です

勝手に噂され、広まってしまう、、。恥ずかしい限りの気持ちになりますね。

先ほど紹介した歌と歌合の席で対決した一首です作者の壬生忠見は、官位は低いが、歌人としての名は高いことで有名です。

歌合出席の勅命は、当時摂津国 (現在の兵庫県の一部と大阪府の一部)の役人として田舎住まいをしていた忠見にとって、一世一代の栄誉でした。

ただ、結果は、平兼盛の勝利になりました。勝敗をつけがたい様子でしたが、その場にいた天皇が、兼盛の和歌を口ずさんだことで、兼盛の勝利になりました。

で、そのあとが、大変辛いことが起こました。

実は、その後、忠見は食べものがのどを通らなくなり、とうとう不治の病にかかって命落としてしまいました(涙)。

「これほどまでに芸術に情熱を注ぐことができる忠見こそ、真の風流人で ある」と彼を賞賛した……という美談があるが、どうやらこれはつくり話っぽいです。

終わりに

兼盛か忠見か、どっち良いか。この二首はいまだに論争をしても良いくらい素敵な和歌です。皆さんはどちらの和歌を勝ちにしますか。

私は「忍ぶれど、」かな。やっぱり技巧的に優れていますし、顔色に出てしまうという方が、よくありそうで共感を生むのではないかと個人的には思ってしまいます。

クラスの中でディベートなんかをしても良さそうですね。

参考文献

1 こんなに面白かった「百人一首」

2 図説 どこから読んでも想いがつのる! 恋の百人一首

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